日系企業だったのですが、従業員の80%は現地のアメリカ人。人事部も全員アメリカ人でした。最初に面接してけたのは人事の中堅マネージャーで、も ちろんすべて英語。こちら側の態度も、なるべく明るく積極的で行くように、とのアドバイス通りに、元気に自分の大学時代に頑張った内容をアピールしまし た。すると彼女から見た印象は悪くなかったらしく、次に実際に業務を一緒に行う日本からの出向者の方との面接へ。就職斡旋業者の担当者から、日本人との面 接ではあまり張り切りすぎず、落ち着いた保守的な態度で挑むこと、という注意を受けていたので、その通りにやってみる。それでもやっぱり履歴書の内容につ いて具体的に話すように言われると、少し熱が入って、学生時代に製作に携わった学内新聞にのった自分の記事などを見せてアピール。こういった態度はアメリ カ人の人事には非常に好感をもたれたようなのだけど、応募した仕事内容が社長秘書だったため、あまりそういった張り切り過ぎたところは雇う側からするとベ ストじゃなかったようです。実は後日聞いた話では、この面接での私のインパクトはものすごく強かったけど、あまりに張り切ってるので、このポジションには どうなんだろう?ちょっと違う気がするよね、という発言があったそうなのですが、社長さんが、「いや、大丈夫なんじゃない?」と言ってくれて、私に決めて くださったそうです。
と、ニューヨークに引っ越してからは最初の面接先で就職先をゲットしたのでした。その後こちらの企業 には合計5年ほどお世話になった後、退社。その間に大学院進学も果たし、修士号を取得。再就職前にはコミュニティーカレッジでデータベース関連の資格も取 得して、一気にIT系の技術職にキャリアチェンジを目論みました。
2度目の就職活動では過去の就業経験も具体的に書くと同 時に、大学院やコミュニティーカレッジで学んだ内容もアピール。これは次のターゲットとする仕事内容に合致していたので、なるべく具体的に書きました。そ してまた運良く面接までこぎ着ける。今度は日本人との面接はない代わりに、最初の電話面接から、人事も合わせると6人、それぞれ別々に面接し、しかもその 都度クイズのようなものを出され、少し手まどいました。
このクイズのようなものというのは、分析能力と、難しい問題へ対応 する際の態度をみるためのようで、最近日本でも話題になったかと思います。例えば、とあるホテルの宿泊客の数を推測してください、といったもの。お客さん の数以外は何でも質問していいですよ、という条件付きです。所謂「いい質問」というのをどれだけできるかが鍵。まずホテルの規模、どれくらの広さで何部屋 あるか、などを聞く。それからどのような立地で、季節はいつか?などなど、宿泊者数を左右する要因となりそうなものを聞き出し、自分なりに計算式を作っ て、「これこれこういう理由で、こういう計算式になって、数は X です。」というように、順序立てて説明できればオッケー。このような問題がどんな面接でもきかれるわけではなく、たまたま私の応募したポジションが、そう いった、「分析して情報収集をして、回答を探すスキル」というのを必要としていたということなんですが、苦労はしましたがなかなか楽しかった側面もありま す。裏をかえせばそういうのを楽しいと思えるタイプが就く仕事ということなのかもしれません。
それが2003年の話で、今も同じ企業で仕事をしています。私以外にも、もともとアメリカ生まれではない人達も大勢いる職場なので、業務内容では国際的である必要はかならずしもないのですが、実際には国際色豊で楽しい職場です。
Mari@Maryland, USA